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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……

「誰にそんなことをするんだ」
「この話の流れなら決まってるじゃないですか。風子にですよー」
距離を縮めてきてこっそりと話し掛けてきた潮崎さんにやれやれと呆れたような顔をする郁哉さん。
くだらないことに付き合っていられないと言わんばかりに完成したばかりの書類に不備がないか目を通し始める。
潮崎さんは仕事をするのは早いけど誤字や数字の間違いが何ヵ所かあった。
その些細なミスに郁哉さんが手早く赤ペンを入れてから提出した書類を返した。
「やり直しだ」
「うわっ。ヤキモチ焼をいた後は結構厳しいですねー。
風子にはミスが一個あっても許しちゃうほど優しかったのに」
「彼女はオレが言う前に気づいて直していたからな」
「いやいや、贔屓はありましたって。……実は風子に送ったLOINEのメッセージが三ヵ月も経つのに既読にならないんですよねー。
結婚式の二次会が終わった後に誕生日おめでとうって送ったんですよ。
それだけなのに未読スルーされるっておれってブロックされているんですかね?」

