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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……

ニヤニヤした顔をした潮崎さんは印刷したての何枚かの書類をパソコンのキーボードの上に置く。
その書類を手に取って見た郁哉さんの表情が無から少し照れたようなものへと変わる。
「ちっ…、違う。ただ、優秀な部下がいなくなって毎日大変だなと思っただけだ」
「あははっ、図星かー。課長ってば分かりやすいですよねー。素直に風子だって言えばいいのに。
まぁ、若い女の子がいないから仕事をするテンションが上がらないのも分かりますけど」
二人の課にいる女性は今はおばちゃんの菊さんだけだった。
ぐるりと見渡しても他の課とは別の部屋だし、女性社員が遊びに来ることもない。
「仕事が忙しくなったのは仕方がないことだからな。開いた穴をオレたちがカバーしていくしかない」
「課長は風子と会っているんですよねー?何か教えてくださいよ。久しぶりに幼馴染が何をしているのか知りたいですし」
「それは秘密だ」
「えー!?あっ、分かった。言えないようなことをしてるから隠すんですね」

