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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……



それから数日経った日曜日。

デジタル時計に表示されている月日はもう九月中旬を過ぎていた。


一面青く染まった綺麗な空がオレンジ色になっていく様子を窓からぼーっと眺める。


今日もまた一日終わってしまったと寂しく思いながら……―――――


でも、その日の終わりを迎える瞬間はひとりじゃないと言ってくれているようにピアノを奏でる音が聞こえてくる。


鍵盤を大切に扱うように触れていることが分かるほど優しくて繊細なメロディ。


目を閉じて聞いていたくなるほど心地良くて、空を眺めるのをやめてその音が聞こえてくるところへと向かう。



耳に触りがよくて心を惹きつけられる優しい曲。


そのメロディを電子ピアノで弾いている人の隣へ座り、しなやかな指の動きをじっと見つめる。


ゆっくりと鍵盤を叩き終えたことを知ると、もっと聞いていたかったと物足りない気持ちになった。


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