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第63章 愛おしいキミに……

「そう思ってもらえるように俺が必ず幸せにするから」


穢れも感じない真っ直ぐな瞳から大きな決意を感じられてドクンと心を動かされる。


強い想いを持っていそうなその瞳に吸い込まれているといつの間にか両手首を掴まれていた。


これも優しく掴まれているから痛くはない。でも逃げられないということだけは分かる。



「これからはずっと一緒に幸せに暮らしていこうね」


突然の告白に驚いてぽかんと開けっ放しだった口を閉じた私は迷わずこくんと頷いた。


不幸か幸せかといったら、幸せになる方を選びたい。


幸せになれるのなら、私はどこまでもこの人について行く。


目を覚まさなかった長い間、優しい熱を与えてくれていたこの特別な人に……――――



「いい子だね……」


ゆっくりと顔を近づけられて目を閉じると、おでこにやんわりと唇を当てられた。


何も考えられないほどズキズキとしていた頭は今は全く痛くない。


眠っている時に手に感じていた優しい熱をここでも感じられるほど回復していた。



「私も幸せになりたいです……」