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愛おしいキミに極甘な林檎を
第63章 愛おしいキミに……

画面に映っていたのは今届いたばかりのメッセージだった。
でもそれを送ってきた人との名前を見て、やっと知ることができていたことがまたすべて分からなくなる。
全てを失ってから目が覚めた時に経験した時と同じショックが私を襲う。
どうして……?
私はここにいるのに……――――
その画面は数十秒だけ表示されてまた暗くなってしまったけれど確かにこの目で見た。
これは間違いではないと思う。
スマホの画面に映ったメッセージと共に書かれていた人の名前は……―――――風子。
【ソラ先輩、ごめんなさい。私は今…】
送信者の名前が書かれていた下の段にはそのようにメッセージが記されていた。
私もスマホを持っているけど暗証番号が分からなくてロックが外せないから手にした時からずっと使っていない。
毎日この家にいて、使うような場面もないから放置されたままになっている。
だから、このメッセージを送ったのは私ではない。

