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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus


「ココアもそうだったってこと?」

過去のことを自ら話したというのに、少しだけ涙が浮かんできた。

でも話を続けるためにソラ先輩の質問にこくんと縦に頷く。



「甘いココアを初めて飲んだのは高校生の時でした」


「高校生の時か……」

何か思い当たる節があるような言い方をされて滲んできた涙が少し渇いていく。


冷たい思い出の後にあったのは温かい思い出。

温かいココアが入ったマグカップを両手で包んでからソラ先輩の肩にそっと寄り掛かって心を落ち着ける。


「はい。養子にいってから、ソラ先輩と同じ高校に転校して……、再会してから色々初めてを教えてもらったんですよ」

「俺だけ……というか、海田と大地も一緒に色んなことをしたよね」


「皆でハンバーガーとかフライドポテトとか、手軽に食べられる物を色々と食べに行きましたよね。

でも冷たい雨が降った日、部室に一人でいた私にソラ先輩がココアを買ってきてくれたのも覚えてます」


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