この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

「それならよかった」
「ココアってこんなにも甘かったんですね」
「これは砂糖は入れなくていいものだから入れてないよ?」
不思議そうな顔をするソラ先輩を見て、私は、ふふっと軽く笑うように口元を上げた。
「私……、子供の頃はココアはもっと味が薄くて甘さはあまり感じないものだと思っていました」
「粉末のココアを入れる量が少なかったとか?」
「はい。五杯飲んでもまだまだ減らない袋に入ったココアがあったんですけどね、養子に行く前は貧乏だったのでスプーン三杯入れるのを一杯しか入れていなかったんです」
「ヘルシーだね」
「あはは。そういう見方もできますよね。
……小さい頃は冷蔵庫にある物を使ったり、家にある物で殆ど一人で食事をしていたので。
中学生になっても皆が知っているのに、私だけ知らないことも沢山あって……」

