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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

「あははっ、ソラ先輩ったらいつも遠回しにしちゃうんですから。……でも過去に分からなかったソラ先輩の気持ちをはっきりと知ることができて嬉しいです」
私も笑えみを浮かべてみると、またソラ先輩が優しく微笑んでくれる。
二人きりで過ごす時間にやってくるじんわりと心が温かくなるような優しい時間。
こんなにも幸せに感じることができる時間が私にもあるなんて子供の頃は思ってもいなかった。
薄い味から甘い味を知る。まるで私が飲んできたココアのようだ。
そしてそれは私のしてきた恋愛とも似ているように思えた。
「今は俺の気持ちが分かる?」
「大体分かりますよ。無理してる時も楽しそうな時も前よりずっとずっと分かります。でもたまに何を考えているのか分からない時もありますけれど」
「そうか。だけど、ひとつだけ大切なことを分かっていれば大丈夫だよ」
「大切なこと……?」

