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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

意地悪だ。こうやって話を逸らして欲求不満状態になっている私を焦らしている。
おまけに「ソラ先輩の意地悪……」っといつものように言われないようにするためか婚約指輪に触れてきた。
今の私は左手の薬指には婚約指輪をはめている。
透き通るような特別な輝きを放っているダイヤモンドは、暇がある時に拭いているから今でも汚れなく綺麗だ。
「婚約指輪の刻印の意味、ソラ先輩がはっきりと教えてくれないから私、調べたんですよ」
「へえ。ざっくりとは伝わったと思うけど、本当の意味は分かったかな?」
指輪の内側に刻まれている“Totus tuus”という英文。
英語が弱いせいでパッと見てどんな意味なのか分からなかった。
調べて分かったことを伝える前にソラ先輩は絡めていた指を放して着ていたパジャマを脱ぐ。
私が酔って寝ている間にシャワーを済ませてこのまま寝ようと思っていたんだろう。
一緒に使っているボディーソープのいい匂いがする。
「プロポーズと共に私にあげたかった言葉は……“わさび”でしょ」

