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愛おしいキミに極甘な林檎を
第13章 それぞれの気持ち

「……弟と妹のために必要なんです。二人にはお金で苦労して欲しくないので。気にせずに大学まで進学してもらいたいんですよ」
「優しいんですね……」
理人さんは残された家族を幸せにするために私を……。
幼い二人の無邪気な笑顔を思い出すとなんだか胸を締め付けられるような気持ちになった。
「失礼ですけど、両親が残してくれた遺産とかないんですか?」
「ありません。……全て奪われました。だから、ここでお世話になっているんですよ」
聞いてはいけないことを聞いてしまった気がする。
だけど、ここまで考えているとは思っていなかった。
本当に弟、妹思いの優しいお兄さんなんだ。
もし、理人さんと結婚したら幼い二人も幸せになれるのかな……。

