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愛おしいキミに極甘な林檎を
第15章 お試し同棲は甘い日々?

「ごめん、ごめん。そういう意味じゃないから」
俯いているとソラ先輩が半笑いで私の頭を撫でて慰めてくる。
「どういう意味ですか。派手な格好にして欲しいってことですか……?」
「違うよ。今晩は少し高いお店で食事をしようかと思っていたんだ」
「ええ……。どうしていきなり……?」
「バレンタインデーに美味しいケーキをくれたからそのお返しだよ」
そのサプライズのせいで潤んでいた瞳から涙が零れた。
実家に行って数ヵ月ぶりに会った母との会話も頭に残らないほど胸が躍る。
自分の部屋に行って服を漁り、ワンピースに着替えて髪をハーフアップに結い直した。
これで大丈夫かな……?
ドキドキしながら全身鏡で格好を確認してから、棚の奥にしまっていた物を身につけて部屋を後にした。

