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愛おしいキミに極甘な林檎を
第3章 狙われる雌

急に肩に手をのせられて驚いて振り向くと、課長が栄養ドリンクを渡してくる。


「これでも飲んでくれ。最近、疲れてるようだから体調を崩さないように栄養をしっかり取るんだぞ」

「あっ、ありがとうございます……」


「なにかあったのか?」


「いいえ、何もないです」



「体調が悪いなら半休でもとって病院に行っていいからな」

「はい……」


病院に行っても治らない。


この心の痛みはソラ先輩にしか治すことができないから……――――



しかし、春から秋になってもその痛みは治らなかった。


それでもソラ先輩のことが好きで諦められなくて、来ない連絡を待って想い続けていた。



だけど流石に五ヶ月も過ぎれば精神的に疲れ果ててくる。



僅かな希望が欲しくて、会社帰りに見つけたタロット占いに立ち寄ることにした。


「いらっしゃい。何か気になってることはあるかしら?」


店の中に入って椅子に座ると中年くらいの女性の占い師がにっこりと微笑んで迎えてくれた。



「五ヶ月ほど彼氏と連絡が取れないんです。だからどこにいるのか知りたくて……」

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