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愛おしいキミに極甘な林檎を
第18章 この愛の行方は……


「私は……――――ただ…好きな人と結婚したいだけなんです……」

また涙が流れてきて弱々しい声になると、理人さんが妹を慰めている時のように頭を撫でてくる。


心配してこんなにも優しくしてくれるのに、今撫でて欲しいと思う人は違う人だと思っていた。




それから仕事が終わってから真っ直ぐ帰ってくるように言われて、とにかくソラ先輩と会わせてもらえなかった。


朝は会社まで理人さんに送って行かれて、帰りは迎えのタクシーが来ていたり自由に動ける時間がない。


唯一、祖父の縛りから放たれるのは仕事をしている時だけ……。



「陸田から聞いたが最近タクシーで帰っているようだな。元気もないようだし、どこか怪我したのか?」


給湯室で二人っきりになった時に課長が心配そうな顔で声を掛けてくる。

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