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愛おしいキミに極甘な林檎を
第18章 この愛の行方は……
「祖父の後、あの家と財産を継ぐ血縁者は誰もいないんです。それを思うと気の毒で……」
祖父とはまだ出会って一年も経っていないけど、一緒に住んでいるうちに情が湧いていったんだと思う。
話し掛けに行くと時より笑顔も見せてくれることもあって悪い人ではない。
天秤にかけると答えは確かだけど、切り捨てたとすると心に引っ掛かる。
「でもその答えは矛盾してるよ」
「してますね。……だからこそどうしていいか分からないんです」
「風子のおじいさんの前で言った事は本当だよ。だから風子次第だと思う」
このままソラ先輩と一緒になりたいけど、八百万円という苦しい金額を背負わせたくない。
それを考えたら簡単に答えは出せなかった。
「もし私が祖父の方を選んだら、ソラ先輩と一生一緒にいれることはないってことですよね?」