この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第19章 誘惑と片思い

「ありがとうございます。でも本当に大丈夫ですから」
「そうですよね……。それでこそ風子さんです」
いつものように断る私を見て理人さんは残念そうな顔をして笑っていた。
書類や本の入ったダンボールが積まれていて、人一人倒れ込むくらいのスペースしかないからとても狭い。
そんな部屋に長時間二人っきりでいる羽目になった。
出られたのは夜遅くなった頃。
閉じ込められた部屋にいる間、理人さんは私に手を出さずにずっと背を向けていた。
でもその次の日。また事件が起きた。
「昨日は本当にごめんね~!お詫びに美味しいお酒買ってきたから理人くんと二人で飲んで」
「え……、ありがとうございます……」
那砂さんに何度も頭を下げられて謝罪された後、瓶に入っているお酒をもらった。

