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愛おしいキミに極甘な林檎を
第19章 誘惑と片思い

両手を広げて自信満々に話す那砂さんを前に私は眉をひそめて握り拳を作っていた。
「馬鹿なことを言わないで下さい。……子供は取引をするための道具じゃないんです」
「だったら、それ以外に何の方法があるのよ!風子ちゃんは彼氏と幸せになりたいんじゃないの!?」
「っ……、それは……」
なにか言いたかったけど、返す言葉が見つからなかった。
那砂さんが帰った後、不安そうな顔をした理人さんが話し掛けてくる。
「昨晩はすみませんでした……。起きたら風子さんのベッドの上だったので、失礼なことをしてしまっていたら僕は……」
「いえ、私のベッドに倒れただけで何もないですから……」
本音を聞いたのと危なかったことは黙っておこう。
「朝は普通だったのに今は元気がないようですが、那砂に何かされたんですか?」

