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愛おしいキミに極甘な林檎を
第20章 秘密の時間に愛されて…


まだ夜が明けなくて暗い中、抜き足、差し足、忍び足……っと心で唱えながら慎重に裏庭を歩く。


足音を消す集中力が欠けつつも目的の場所に辿り着き、まずは塀の外へ荷物を放り投げた。


そして近くにある木に必死でよじ登ってそこを確認する。


すると約束をしていた通りに彼がいて、私は嬉しくて微笑んだ。


高いところは怖い。

でも今すぐに触れたかったから意を決して、手を広げて受け止めようとしているその彼の元に飛び降りた。





「ソラ先輩、ありがとうございます。……大丈夫ですか?」


飛び込む位置は失敗しなかったけど、ソラ先輩は私を受け止めきれず尻餅をついていた。


「全然大丈夫だよ。……行こう」


手を繋いだ私たちは逃げるように走った。

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