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愛おしいキミに極甘な林檎を
第23章 婚姻届

「花城さんのことは以前に探偵を雇って調べさせて頂いた時、千十郎様に全て報告しておりましたので顔もご存じでおられます。
これによってどのような家に住んでいるかも分かっているからこそ、安心して風子さんを任せられると思ったんでしょうね」
「私は課長と結婚の話をしていないです。だから婚姻届だって出しに行く気はありません」
「婚姻届は本人以外でも提出しに行けます。署名なされたことですし、もし乙羽の判子を勝手に押して提出したら風子さんは花城さんの妻となりますね」
「私が郁哉さんの……」
今でも課長のことは嫌いではない。
会社では一番頼れるし、人としてかなり好きな方だ。
でも特別な想いはもうない……――――
「二番目に好きな方ならいいんじゃないでしょうか。全く知らない人と結婚させられるよりはいいかと」

