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愛おしいキミに極甘な林檎を
第23章 婚姻届


和室に一人取り残された私は呆気に取られてしばらく座っていた。



祖父が寝る時間になってから話を聞くために理人さんを探す。

部屋にいなかったから縁側に行ってみると、缶ビールを片手に曇っている夜空を眺めていた。


「さっきの結婚の話、どう言うことなのか説明してください。理人さんなら何か知っているんでしょ」


隣に行って話し掛けると私のことを見下ろした後、ごくりと缶ビールを一口飲んだ。



「ゴールデンウイークの時、千十郎様に風子さんの動向を報告するために僕が写真を送っていたのは覚えていますか?」


「はい……。私の写真を撮ってましたね」


「風子さんだけの写真を撮っていると怪しまれると思ったので、塑羅緒さんを除いた他の人も写るように撮っていたんです。
それで花城さんが写っているものが多くて、風子さんとお付き合いしていると思ったようです」


「でも祖父はうちの課長に会ったことがないじゃないですか」

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