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愛おしいキミに極甘な林檎を
第23章 婚姻届

それから他の誰もいないタイミングを狙うものの、なかなかやって来なくて時間だけが過ぎていった。
もどかしい日を何日か過ごした後、仕事をしていると陸田さんに肩をトントンと叩かれる。
「乙羽さん、ごめーん。やらないといけない仕事ができたからおれの代わりに出張に行ってきて」
「はい!?」
その一言に目を大きく見開いて耳を疑った。
近日、課長が出張に行くとしか聞いていない。
「実は乙羽さんがいないところで決まってたんだよー」
「いつどこに出張ですか?」
「課長と一緒だし、経験を積んでおくのも悪くないだろうから丁度いいよね。……課長ー!代わりは乙羽さんにお願いしましたのでー」
反論する間もくれずに勝手に決めた陸田さんは大声で伝えた。
すると課長はパソコンのディスプレイから私たちの方に目を向けてくる。

