この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第23章 婚姻届

「ダメだね……。いい人だって分かってるのに俺から風子を奪うんじゃないかって怖くなるなんて」
「ううん、私の方こそごめんなさい……」
知られてないだけで結果的にそうなるから何にも言えなかった。
今だってその不安に近い事が起こっている……。
ソラ先輩は今まで私が不安になった時はいつも傍にいてくれた。
安心するまで背中を撫でて向き合ってくれる優しい彼氏。
失恋してひとりで泣いていた時や心の傷で苦しんでどうすればいいか分からなくなってしまった時もずっと一緒にいてくれた。
いつも温かく包んでくれるのに私はまた不安にさせてしまっている。
一緒にいてあげたいのに、いてあげることもできない……。
せめて少しでも安心してもらえるように帰り際にソラ先輩の背中をぎゅっと抱き締めた。

