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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方

「答えはですね……――――有名ですから知ってるに決まってますよー!前に食べたことがあります」
「えっ!?」
「それで賭けは乙羽さんと課長のどっちが勝ったんですか?」
「オレだ」
負けた……。
二人が話している間、私はこの結果を受け入れたくなくて口を閉じてパチパチと瞬きしていた。
呆然としていると課長にもう一度ぽんっと肩をそっと叩かれた。
まずい……。これは……何か言われる。
この程度の賭け事で郁哉さんの妻に強制的になることになったりしないかな……。
もしそうなったのなら陸田さんを一生恨みそうだ。
気が気ではないまま仕事をしているとあっという間に昼休みになった。
お弁当を買いに行こうとしてバックから財布を取り出すと陸田さんが近づいてきた。
「ほら、乙羽さん。ヨーグルトを奢らないといけないよ。課長と自販機にいってらっしゃーい。
課長ー!乙羽さんがヨーグルト奢ってくれるそうですよ」
「えっ、ちょっと待ってください!?」
「…………。そう言う約束だったな。では行こうか、乙羽」

