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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方

「へー、どんな賭けですか?」
「陸田がこのポテトチップスの存在を知っているか、知らないかでな」
「どっちに何を賭けてるんですか。飯ですか?あ、課長が勝ったらデートとかですかね?」
「それはな――――」
「じっ、自販機のヨーグルトですよ!当たったら買ってもらう約束をしていたんです」
――――「オレが勝ったら……乙羽が欲しい」
課長はそう賭けていたから、透かさず私が賭けた方を話した。
すると陸田さんは案の定つまらなそうな顔をする。
「えー、そんなガキみたいな賭けしてたんですか。課長と乙羽さんはロマンスがないなー。
くだらないのでもうどっちなのか答えますよ」
この賭けを覚えられていたのなら、くだらなくなんかない……。
「はははっ、そんな顔をするな。それでどっちなんだ?」
どこか心待ちにしているようにも見える課長の声。
私が欲しいという事は私の身体が狙われていそうな気がする……。
余裕を見せるように笑っている課長の隣で私はごくりと唾を飲んだ。
どっちなのかな……。

