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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方

「昨日は解散した後、お爺さんの家に帰らないで塑羅緒くんの家にでも行っていたんだろう?」
「はい……。そうです……」
「出張中に乙羽はずっと会いたがっていたようだったから、帰っていないならそうするのかと思ってな」
「庇ってくれてありがとうございます……。……これが彼氏が出した条件なんですか?」
「いや、違うな」
少し口角を上げて笑った課長は自販機でヨーグルトを買って私の手のひらに置いて戻っていった。
この日は課長と仕事以外のことをこれだけしか話せなかった。
仕事を終えてから重い足取りで祖父の家に帰る。
玄関のドアを開けて入り、廊下を歩いていると祖父と理人さんと会った。
「あっ……、ただいま帰りました」

