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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方

涙が滲んだ顔で首横に振ると放してもらえて前に走り出すことができた。
なんとかソラ先輩に追いついてから話を聞いてもらうようにスーツの袖を引く。
「承諾してないのは本当です……。信じてください……」
すると振り返ってくれて寂しそうな顔で微笑んで私を見てくる。
「大丈夫だよ。風子のことを信じてるから」
そう言ってくれたけど心が苦しかった。
隣にいて安心させてあげたいのに仕事に行かないといけなくて渋々ソラ先輩と離れた。
完璧に安心させるためにはこの結婚を取り止めてもらわないと……――――

