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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方

次の日も、その次の日も皆が寝静まった頃に動き出して婚姻届を探した。
でも一向に見つからない。
提出される前に破り捨てないと強制的に籍を入れられてしまうと思うから絶対に探し出さないと……。
今晩はまだ見ていない祖父の書斎に向かった。
ここには一度も足を踏み入れたことがない。
ガタンッと何かにぶつかって大きな物音を立ててしまった後、すぐに足音が近づいてきた。
「何をしているんですか!……って風子さんでしたか。泥棒にでもなるつもりですか?」
やってきたのは予想通り、理人さんだった。
「違います」
「盗まなくてもいずれ千十郎様の財産は風子さんのものになりますよ」
「財産なんてどうでもいいです。婚姻届はどこにあるんですか!?」

