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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方

しょんぼりした顔をして家に帰ると庭先に那砂さんがいた。
崩れていないメイクに一切乱れていない綺麗な髪の毛。今日もキラキラとしていた。
「風子ちゃん、おかえり~!どうしたの?浮かない顔して」
無視するわけにもいかなくて仕方なく那砂さんの前で立ち止まる。
「仕事で疲れているだけです」
「千十郎様から聞いたけど遂に会社の上司との婚姻届を書いたんだってね。彼氏くんのことを捨てないかと思っていたから那砂びっくりしちゃった」
「捨ててなんかいません!」
「じゃあ上司くんと結婚して彼氏くんと不倫するの?」
「上司と結婚するつもりはありません。……那砂さんは祖父の寝室も掃除するんですよね?
婚姻届がどこにあるのか知ってるんじゃないですか……?」

