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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方

すると那砂さんはにやりと笑って庭先の花の茎を剪定ばさみでちょきんと切った。
切る必要もなさそうな茎を切っていたからあまりにも不気味で少し寒気がする。
「ええ、どこにあるのか知ってる。でも教えて欲しいならそれなりの対価を示さないとねぇ~」
「対価って何が欲しいんですか……?お金を払えばいいんですか……?」
怖くなりながら聞いてみると那砂さんは首を横に振った。
「那砂と理人くんの仲立ちになって欲しいの~!」
「そのくらいだったらしますよ」
「うふふ、約束よ。嘘をつかないでね。婚姻届はねー……、えーっとねぇ……」
「勿体ぶらないで答えてください。こっちは彼氏の体調も心配で忙しいんです」

