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愛おしいキミに極甘な林檎を
第27章 婚姻届の行方

家に帰ると那砂さんが昨日と同じ花壇の手入れをしていた。
今日は掘り出した長い根と緑色のスコップを持って近づいてくる。
「風子ちゃん、おかえり~。あら、今日も浮かない顔をしてる。そんなんじゃ可愛くないって言われるんじゃない?」
「これから友達と遊ぶので晩御飯はいらないって言っておいてください」
本当はソラ先輩を探しに行くつもりだ。
当てはないけれど普段行く場所を片っ端から探してみようと思う。
「いいけど、遊んでいていいの?」
「今日は他に何の用事もありませんから」
「ふぅん。……颯太くんと話した?今日も病院に行くって」
「それがどうしたんですか。元カレがどうなろうと私にはもう関係ありません」
「関係ないだろうけど、……元カレの従兄弟だったら関係するんじゃないかしら?」

