この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第28章 結婚と彼女

「その結婚はしません」
「じゃあなんで結婚話が出てるんだ?おかしいだろ」
「それは……」
「どうせはっきり断れてねえんだろ。お前の悪いところはいつまでも迷ってはっきり断らねえとこだからな」
「っ……」
太股の上に置いていた手をぎゅっと握って拳を作った。
過去に私を裏切った人に指摘されて悔しいけど自覚があるから言い返せない。
しばらく黙っていると颯太はスマホを見て席を立った。
「そろそろ面会時間が終わりだな。今すぐ死ぬわけじゃねえんだから帰るぞ」
「えっ……。でもまだ彼氏と話してないです」
「具合が悪いんだから寝せておけ。どこかに逃げるわけでもねえんだから明日にでもまた来ればいいだろ」
病院を出る前にソラ先輩の顔を見たかったけど颯太に背中を押されて渋々帰ることにした。

