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愛おしいキミに極甘な林檎を
第28章 結婚と彼女

「……あんまり長くねえみたいなんだ」
「長く…ないって……?」
その言葉に胸騒ぎがしてバックを持っていた手に汗が滲んでくる。
「分かるだろ。……寿命だ」
はっきりと言われてぞくりと背筋が凍ったような感覚が襲う。
そして信じられない出来事を前に頭が働かなくなってきた。
「嘘ですよね……?私といる時は元気でいましたし、病気だなんて聞いたことないです。薬だって普段飲んでいなかったはずです……」
「あいつの右手には触ったか?」
「えっ……」
「力が入らないことも知ってなかったのかよ……。いつも一緒にいるのに分かんねえなんて甘えてばかりで塑羅緒のことをよく見てねえんだな」

