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愛おしいキミに極甘な林檎を
第28章 結婚と彼女

面会終了の時間まで、これからどうしようか色んなことを考えながらソラ先輩の傍にいた。
帰らないで一緒にいて欲しいと言われて見守っていたけど、そうしているうちに自分の中で答えが見えてきた。
体調が良くなったらこの答えをソラ先輩に告げようと思う。
だから、一刻も早い回復を祈るばかりだった……。
午後七時。病院から出て祖父の家へと向かった。
昨晩は祖父の家には帰らずにソラ先輩の家に泊らせてもらったけど、明日から仕事だから一旦戻らないといけない。
帰ったら怒られると分かっているけど勇気を出して玄関の扉を開けた。
「ただいま戻りました……」
声を掛けてから上がると足音が近づいてくる。
とりあえずその場で待っていたら那砂さんに支えられて祖父がやって来た。
まだ怒っているのか祖父の表情が険しくて私はごくりと唾を飲む。
「どこに行っておった」
「とっ、友達のところです。勝手に逃げ出してすみません……」
「わしがせっかく進めてやった縁談を滅茶苦茶しおって。その反抗的な態度を改めるようにおまえには罰を与える――――」

