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愛おしいキミに極甘な林檎を
第28章 結婚と彼女

「ありがとうございます。すごく嬉しいです……」
「風子が喜んでくれるなら俺も元気になるよ」
次の日もお見舞いに行くと、言っていたとおり昨日よりソラ先輩の顔色は良くなっているように見えた。
しかも少し体調も良いのか読書をしている。
でも読んでいたその本はフランス語を勉強する本だった。
「勉強熱心ですね」
「英語は分かってもフランス語は全く分からなくてね」
「まさか駆け落ちして逃げる場所はフランスにするんですか?」
「ははっ、それもいいかもね」
他人事のように笑ってはいるけど、また海外出張に行くんだろうか。
これ以上体を壊すようなことはして欲しくなくて詳しい理由までは怖くて聞けなかった。
駆け落ちすれば、ソラ先輩が疲れるような目に合わなくて済むのかな……。
それとも倒れた原因が私なら……――――

