この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第30章 低俗な野望と片思い

ソラ先輩……。
いなくなっちゃいやだ……。
もう二度と私の前からいなくならないで……。
ずっと支えてきてくれたあなたがいなくなったら私は—————
私の傍にソラ先輩がいない未来を考えると胸が締め付けられて涙が頬を伝った。
明日死ぬと決まったわけじゃないのに何を考えているんだ。
でも自分が選んだ答えは間違っていないことだけは分かった。
心の底から私がこれからも一緒にいたいのは他の誰でもない、ソラ先輩なんだ。
涙を手で拭って荷物をまとめた。
泊まりに行くだけの分でなく、いつでも逃げられるようにすべて。
いずれ祖父の元から逃げて二人で幸せに暮らすんだ。
「――――風子さん、入りますよ。話があるので来てください」
バッグに衣類を詰め込んでいると理人さんが部屋に入って来て私の腕をがっしりと掴む。
「なっ、なんですか?……ちょっと痛いのでそんなに強くつかまないでください」

