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愛おしいキミに極甘な林檎を
第4章 自由と秘め事

体を離して呼吸を整えた頃はもう休憩時間が過ぎていて課長は仕事の顔に戻っていた。
「おっ、ここにあったか。部長が探して欲しかったのはきっとこれだ」
デスクの引き出しから取り出して見せてくれたのは、まだ封が切られていない事務用品。
でも今は探していた物が見つかった喜びよりも気持ちの方が収まらなかった。
「部長にこれを渡した後は頼みたい仕事があるから早く行くぞ」
まだ言っていない……。
この気持ちを伝えたくて部屋から出ようとする課長のシャツの袖を少し引いた。
「あの……、課長……」
「どうした?」
「す……」
好きって言うんだ……
私も好きなんだから、好きって伝えないと……。
心臓が壊れてしまいそうなくらい鼓動が煩い。

