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愛おしいキミに極甘な林檎を
第4章 自由と秘め事

振り返るとグレーのスーツをきっちりと着た男が立っていた。
男にしては少し長めの真っ直ぐな髪にスリムな体型。
清楚感があって私と同じくらいの年代に思えた。
でも今は夏と真逆の冬、そしてここは都会ではないからサングラスをかけているのがとても怪しく見える。
「はい。そう…ですけど……」
様子を伺いながら引き気味に返事をするとその男は私の腕を掴んだ。
「一緒に来てください」
「へっ?……いやぁっ!はなしてっ……!やめて……!」
どこかに連れて行こうとするように私の腕をグイッと引いてくるから怖い。
恋愛以外は平凡な日々を送っていたから、誰かに連れて行かれるようなことをしたのは身に覚えがない。

