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愛おしいキミに極甘な林檎を
第31章 未来への誓い

病室に入ってからベッドに近づき、ソラ先輩の顔を覗くと私に気付いたのか目を覚ます。
「熱は下がりましたか?」
「……今日は昨日よりは下がったよ」
症状が悪化していなくて良かった……。
入院してから食欲もなかったみたいだけど、りんごを剥いてあげてみると喜んで食べてくれた。
「できた!うさぎの飾り切りを一度でもいいから作ってみたかったんです。はい、これもどうぞ」
赤いりんごの皮がうさぎの耳のように切られているものを紙皿に乗せて披露する。
「上手だね。……俺にはできないかな」
「大丈夫です。ソラ先輩もできるようになります」
「どうだろう……。ねえ、風子……。利き手が不自由な俺と一緒にいたいって思う?」

