この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
陰は陽よりも熱く
第1章 木立ちに佇むもの
微睡むようなふわふわとした感覚…



これは夢?



闇に青く光る苔を踏みしめながら向かった先には



長い髪の女の子が立っていた。



声を掛けると周りの木々に反響してエコーがかかる。



『どうしたの?暗いから迷子になっちゃったのかな?』




7~8歳くらいのその女の子は大きな黒い瞳に涙を浮かべて頷く。



『っ……っ…足が痛くて…歩けない…っ…』


しゃくりあげながら答えるその子の頭をなでる。



『わかったっ大丈夫!お姉ちゃんがおんぶしてあげるからね!』



そう意気込んで背中を向けた途端、足元が崩れる。



視界が歪んで急に支えを失った体が底知れぬ闇に呑まれる



―――っっ落ちる!!






ぐにゃり



柔らかく温かいものに着地した。と思ったら


ブニャアァァッ!




絶叫に近い猫の鳴き声で目が覚めた。





あたしの体はベッドから半分落ち、飛び出た足で飼い猫の金太郎を思いっきり踏んづけていた。




「…っああ!金!ごめんっ!」


フーフー!


はは、怒ってる…あとで煮干しあげよう





「変な夢…だったなぁ…」



カーテンを開けると窓の下には青々とした緑の木々と赤い鳥居が見える。

パンパンッ
二階の窓から柏手を打ってお願いするのはあたしの日課だ。


「今日もいいことありますようにっ」



「なのは~ご飯よ~」



「はぁい!今いく~!」






いつもと変わらぬ朝


少し違うと言えば踏んづけたのを恨んでか、あたしが家を出るまでずっと金太郎が怒って近寄って来なかったことくらいだ。




…と思っていた
/49ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ