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陰は陽よりも熱く
第4章 金色の陽は
「標的になった奴には忘却の呪をかけて帰した―――」
近づいてきた関に気付き創護は早く来いとばかりにあごで合図した。
「門倉のご家族ですか?……遅くまで引き止めてしまって申し訳ありません」
駆け寄り頭を下げてまず謝った。
するとせわしなく狼狽える好好爺の顔はスッと引き締まり、口元をわずかに緩ませた
強い眼光のなかに優しさが滲んでいる
「……先生か、そんな気遣いは要らんよ…。事態がお前さん方の領域をとうに超えておる――あとは儂等の仕事!…創護もプロじゃ…………辛い現実はちと残るがだいぶ軽くなるぞ――――ここがの」
俺の肩をポンポンと叩いたレジェンドの言葉に
なぜか目頭が熱くなった
「俺は……そんな」
責められこそすれ慰められる資格など無いのに
「己を責め過ぎてはいかん……。想いに邪がないからこそ正気でいられた―――……ぱわ~おぶラヴじゃっ♪」
と、ウィンクしてみせるレジェンドに背中を思いっきりシバかれた。
陰陽師というものはなんでも解ってしまうのだろうか……