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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
花憐が清人を見上げると、清人も花憐に視線を向けた。
こうして出かけていることが、まるで本当の夫婦のようで花憐は嬉しかった。
清人がわずかに目を細めたかと思うと、おもむろに花憐にチュとキスした。
「!」
慌てて清人から離れる。平日とはいえ、紅葉の季節なだけあって人は多い。
まわりの人に見られて花憐は赤面した。
「こ、こんなとこでやめてください!」
小さな声で清人を叱った。
「誰も見てなかったらいいの?」
清人が花憐の腰を引き寄せて耳元で囁いて耳に軽くキスした。
花憐は清人の頭をポカ!っと叩いた。
自分を睨んでいる花憐を見て、清人は声を上げて笑った。
「怒った顔も可愛い」
清人の屈託の無い笑顔に、花憐もつられて笑う。
清人が花憐の手をぎゅ、とつないで二人は再びぶらぶらと歩き出した。
公園に移動して、花憐が作ってきたお弁当を食べる。
「こういう、まさに弁当って感じの弁当食べるのって初めてかも」
清人は思いのほか喜んでお弁当を食べた。
「遠足とか、運動会とか、うちの料理人が作った豪華な弁当しか持ってったことない。
母親は料理なんか全くしない人だし」
「お味はどうですか?」
「美味しいよ。とても」
清人の飾り気のない誉め言葉に花憐は表情を緩ませた。
「いろんな女とつきあってきたけど、俺は女性の手料理を食べないことにしてきたんだ。
それから家にも上げたことがない」
意外な告白に、花憐は驚きを隠せず尋ねた。女性が家を訪ねてきていることを花憐は
黙っていたが、清人も気がついているはずだった。
「・・・・どうしてですか?」
「手料理を食べるって、’生活’って感じがするだろ?家に入れるのも同じ。
日常生活に立ち入られたくないんだ」
こうして出かけていることが、まるで本当の夫婦のようで花憐は嬉しかった。
清人がわずかに目を細めたかと思うと、おもむろに花憐にチュとキスした。
「!」
慌てて清人から離れる。平日とはいえ、紅葉の季節なだけあって人は多い。
まわりの人に見られて花憐は赤面した。
「こ、こんなとこでやめてください!」
小さな声で清人を叱った。
「誰も見てなかったらいいの?」
清人が花憐の腰を引き寄せて耳元で囁いて耳に軽くキスした。
花憐は清人の頭をポカ!っと叩いた。
自分を睨んでいる花憐を見て、清人は声を上げて笑った。
「怒った顔も可愛い」
清人の屈託の無い笑顔に、花憐もつられて笑う。
清人が花憐の手をぎゅ、とつないで二人は再びぶらぶらと歩き出した。
公園に移動して、花憐が作ってきたお弁当を食べる。
「こういう、まさに弁当って感じの弁当食べるのって初めてかも」
清人は思いのほか喜んでお弁当を食べた。
「遠足とか、運動会とか、うちの料理人が作った豪華な弁当しか持ってったことない。
母親は料理なんか全くしない人だし」
「お味はどうですか?」
「美味しいよ。とても」
清人の飾り気のない誉め言葉に花憐は表情を緩ませた。
「いろんな女とつきあってきたけど、俺は女性の手料理を食べないことにしてきたんだ。
それから家にも上げたことがない」
意外な告白に、花憐は驚きを隠せず尋ねた。女性が家を訪ねてきていることを花憐は
黙っていたが、清人も気がついているはずだった。
「・・・・どうしてですか?」
「手料理を食べるって、’生活’って感じがするだろ?家に入れるのも同じ。
日常生活に立ち入られたくないんだ」