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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
缶コーヒーを買って車に戻り、二人で他愛もないおしゃべりをした。
榊は今彼氏と同棲をしていること。普段はそっけないが、実は嫉妬深く、花憐とこうして二人でいることがバレたら大変!と笑って話した。

30分もたたないうちに花憐の電話が鳴った。
清人がどこにいるんだと怒った口調で尋ねる。
花憐は車を降りた。

ちょうど公園に向かって歩いていく清人の姿が見えた。

「清人さん!」

清人はさっと振り向き、花憐の姿を確認すると、一瞬安心したような表情をして、すぐに
厳しい顔に戻った。
花憐のもとへ走り、腕を掴んだ。

「こんな時間まで何してるんだ!連絡もしないで・・・・」
「連絡は何回もしました。けど、電話がつながらなくて・・・・」

清人は寝ていないのか、疲れた表情で花憐を睨んだ。

「ごめんなさい・・・・」

花憐は素直に謝った。清人は怒っているということがわかったからだ。

清人は大きくため息をついて、花憐の頭を胸に引き寄せた。

「心配したんだ・・・・。どこかに連れていかれたんじゃないかと思って・・・・」

清人の手は震えていた。本当に心配してくれていたことが伝わってくる。
清人の香りを吸いこむ。胸が熱くなった。

「大河さん」

榊が二人のもとへゆっくりと歩いて近づいた。
清人の目に敵意が浮かび上がる。

「花憐に何もしてないだろうな」
「榊さんはそんな人じゃないわ!困ってた私に、とても良くしてくれたのよ」

花憐の言葉は耳に入っていないようだった。清人は榊の前につかつかと歩み出る。
長身の男二人が並ぶと迫力があった。

「今後、花憐に近づかないでくれ」
「あら、あなたがそんなこと言うなんて。まるで花憐ちゃんはあなただけのものみたいな言い方ね」
「そういう意味じゃない」
「じゃあ、どういう意味かしら」

榊の目は挑発的だった。嫉妬しているのだろう、とあざ笑っているかのようだった。

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