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明日に架ける橋
第2章 秘めた想い
「・・・・オーケー。わかったわ。あなたの’お許し’が出るまでは、しばらくの間
誘わないことにします。
ただし、花憐ちゃんがワタシに会いたいって言ったら別よ。いつでも誘ってね」

榊は花憐に向かってウィンクした。

「榊さん、本当にありがとうございました・・・・!」

榊は手を振って車に乗り込んだ。
一緒にいてくれて、どれだけ助かったことか。感謝してもし尽くせなかった。

「・・・・・行くよ」

清人はそれだけ言うと、一人で先に車に向かって歩き出した。
花憐は慌てて後を追った。

帰りの車中、思い沈黙が二人を包んだ。
清人がこれまでで一番怒っていて、イライラしていることが伝わってきた。

しかし、花憐の心は満たされていた。

先ほどの清人の言葉を思い出す。

『俺以外の男が花憐に触れることは許さない』

清人が嫉妬してくれていることが嬉しかった。
嫉妬しているのは自分ばかりだと思っていたからだ。女性が家を訪れるたび、清人の電話に
女性の気配を感じるたびに、胸が焦げそうになる。
そんな想いを、清人もしてくれているというのだ・・・・。

家に帰ってからも、清人は何も言わずにシャワーを浴びにバスルームに入ってしまった。
花憐も二階に上がり、シャワーを浴びた。

今夜も別々のベッドで過ごすのかと思うと、花憐は例えようのない寂しさを感じた。
清人の想いを、わずかであるが感じることができた今、それをもっと感じたいと思った。
何よりも、自分の気持ちを伝えたいと思ったのだった。

貴子に居場所が知れてしまい、清人と結婚したことがばれた以上、いつどんな風に引き裂かれるかわからないという焦りもあった。

髪を乾かしながら決意した。今夜は清人のベッドで一緒に眠ろう。

香水をわずかに首筋につけ、階下に降りていった。
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