この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
明日に架ける橋
第1章 エスケープ
「はい・・・」
「俺だ。早く開けろ」
晴彦だった。いったいどうしたのだろうと花憐はいそいでドアに近づいた。
「鍵をかけられて開けられません」
花憐がそう言うと、チッと晴彦が舌打ちした。
「今日中に送らなきゃいけないハガキがあるんだ。すっかり忘れてたんだ。
駅前の大きい郵便局まで行ってきてくれ」
花憐は歓喜の声を上げそうになるのを堪えた。
「窓から出られるんだろ?郵便受けにハガキを入れておくから急いで行ってこい。
すぐに戻ってくるんだぞ」
「でもお義母さまが・・・」
「僕が見張ってるから大丈夫だ。門も開けておく。とにかく今日中に行かないとまずい。
今がチャンスなんだ」
花憐はわかりました、と声が震えないように気をつけて返事をした。
まさか晴彦がチャンスを与えてくれるとは思ってもみなかった。
晴彦がドアの前を去るのを確認すると、花憐は音を立てないように窓を開けた。
晴彦が走って郵便受けにハガキを入れるのが見えた。門の鍵を開けるとすぐにその場から離れた。
家に戻る途中で、花憐の部屋を見上げる。
花憐の姿を確認すると、頼むぞと軽く頷いた。
花憐は胸をドキドキさせながら、窓枠にまたがった。
ここで失敗したら全てが終わりだ。
この先、こんなチャンスは二度と来ないだろう。
一時的でも晴彦が味方をしてくれている。花憐は勇気付けられて窓から部屋を出た。
もうこの部屋に戻ることはないかもしれない。
急に寂しさを感じたが、今は感傷に浸っている場合ではない。
花憐は慎重に地面に降り立った。
「俺だ。早く開けろ」
晴彦だった。いったいどうしたのだろうと花憐はいそいでドアに近づいた。
「鍵をかけられて開けられません」
花憐がそう言うと、チッと晴彦が舌打ちした。
「今日中に送らなきゃいけないハガキがあるんだ。すっかり忘れてたんだ。
駅前の大きい郵便局まで行ってきてくれ」
花憐は歓喜の声を上げそうになるのを堪えた。
「窓から出られるんだろ?郵便受けにハガキを入れておくから急いで行ってこい。
すぐに戻ってくるんだぞ」
「でもお義母さまが・・・」
「僕が見張ってるから大丈夫だ。門も開けておく。とにかく今日中に行かないとまずい。
今がチャンスなんだ」
花憐はわかりました、と声が震えないように気をつけて返事をした。
まさか晴彦がチャンスを与えてくれるとは思ってもみなかった。
晴彦がドアの前を去るのを確認すると、花憐は音を立てないように窓を開けた。
晴彦が走って郵便受けにハガキを入れるのが見えた。門の鍵を開けるとすぐにその場から離れた。
家に戻る途中で、花憐の部屋を見上げる。
花憐の姿を確認すると、頼むぞと軽く頷いた。
花憐は胸をドキドキさせながら、窓枠にまたがった。
ここで失敗したら全てが終わりだ。
この先、こんなチャンスは二度と来ないだろう。
一時的でも晴彦が味方をしてくれている。花憐は勇気付けられて窓から部屋を出た。
もうこの部屋に戻ることはないかもしれない。
急に寂しさを感じたが、今は感傷に浸っている場合ではない。
花憐は慎重に地面に降り立った。