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明日に架ける橋
第1章 エスケープ
「失礼しまーす。入ってもいいかしら?」
「はい・・・・!」
そう言いながらも、まだストッキングも履かず、素足だったことを思い出し、花憐は慌てた。
ちょっと待ってください、と言おうとしたが既に遅く、男性が一人大きな箱を持って中に
入ってきた。
「あ、どうもー。ワタシ、榊っていいまーす。文子さんのおかかえのヘアメイクさんでーす」
「ど、どうも・・・」
現れた男性は、顎鬚をたずさえ、凛々しい眉毛に筋肉質な体で、いかにも男性的な様子だったが、物腰が柔らかく言葉遣いも何だか妙だった。
「あら、そのドレスにしたのね。可愛いでしょ!?ワタシもそれお気に入りなのよね」
「はぁ・・・・」
榊という男は、鏡台の前に持っていた箱を置くと、パカッと蓋を開き、中から様々な化粧道具を取り出した。
「さ、時間がないから急ぎましょう。座って座って」
花憐は呆気に取られながら鏡台の前に座った。
「もうさ~。文子さんに、突然ドレスも用意してって言われたから焦ったわよ~。たいしたもの集めらんなくてぇ。でもこのドレスは可愛いなと思ってたのよね。良かった。持ってきて」
「・・・・・」
女性的な仕草の榊を前に、花憐は驚きを隠せず、まじまじと榊を眺めた。
「ん?何?ワタシ、何かおかしい?」
「いえ・・・。ごめんなさい・・・・」
「やだ~!あなたの肌、すっごい綺麗!!ちょっと乾燥してるけど、シミもないし、真っ白!!ファンデなんかいらないわねぇ」
榊はコットンに化粧水を染み込ませてパッティングを始めた。
「最近の若い子って、肌荒れひどいのよ。あなたみたいに綺麗な肌珍しいわ~。でもちょっと
眉毛を整えないとね。普段お化粧しないの?」
「はい・・・」
「あらそう。でも今日はしっかりしないとね。お見合いパーティーみたいなものなんだから」
「お見合いパーティー・・・・?」
「はい・・・・!」
そう言いながらも、まだストッキングも履かず、素足だったことを思い出し、花憐は慌てた。
ちょっと待ってください、と言おうとしたが既に遅く、男性が一人大きな箱を持って中に
入ってきた。
「あ、どうもー。ワタシ、榊っていいまーす。文子さんのおかかえのヘアメイクさんでーす」
「ど、どうも・・・」
現れた男性は、顎鬚をたずさえ、凛々しい眉毛に筋肉質な体で、いかにも男性的な様子だったが、物腰が柔らかく言葉遣いも何だか妙だった。
「あら、そのドレスにしたのね。可愛いでしょ!?ワタシもそれお気に入りなのよね」
「はぁ・・・・」
榊という男は、鏡台の前に持っていた箱を置くと、パカッと蓋を開き、中から様々な化粧道具を取り出した。
「さ、時間がないから急ぎましょう。座って座って」
花憐は呆気に取られながら鏡台の前に座った。
「もうさ~。文子さんに、突然ドレスも用意してって言われたから焦ったわよ~。たいしたもの集めらんなくてぇ。でもこのドレスは可愛いなと思ってたのよね。良かった。持ってきて」
「・・・・・」
女性的な仕草の榊を前に、花憐は驚きを隠せず、まじまじと榊を眺めた。
「ん?何?ワタシ、何かおかしい?」
「いえ・・・。ごめんなさい・・・・」
「やだ~!あなたの肌、すっごい綺麗!!ちょっと乾燥してるけど、シミもないし、真っ白!!ファンデなんかいらないわねぇ」
榊はコットンに化粧水を染み込ませてパッティングを始めた。
「最近の若い子って、肌荒れひどいのよ。あなたみたいに綺麗な肌珍しいわ~。でもちょっと
眉毛を整えないとね。普段お化粧しないの?」
「はい・・・」
「あらそう。でも今日はしっかりしないとね。お見合いパーティーみたいなものなんだから」
「お見合いパーティー・・・・?」