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明日に架ける橋
第1章 エスケープ
榊は今度はクリームを手に取り、花憐の顔に指を滑らせ、マッサージを始めた。
ゴツい指からは想像できないほど優しい手つきだった。

「年配の方や既婚者ももちろん多いわよ?でも、独身のセレブたちがメインで集うわけ。
女の子は上流の男目当てに来るのよ。昔の社交界みたいなものよ。
文子さんとか、年配の女性はそういう場を提供してるってわけよ」
「あの、そんなにすごいんですか?ただのお食事会みたいな感じでは・・・」
「すごいっていうか・・・。まあ、みんな金持ちよね。気取った奴らの集まりよ。社会的地位もそれなりにあって、金を持て余してて、暇人たちの集まり。気をつけてね。変な人もいるから」

花憐が思っているより、盛大なパーティーのようだった。
自分が参加していいものか、戸惑いが生じる。

「緊張しなくても大丈夫よぉ。ワタシも良くここの家のパーティーに顔出すけど、見たところあなた以上の美人はいないわね。特に若い女は、いい男探しで目が血走っちゃってさぁ。
外見は綺麗でも、中身が醜いのが一目瞭然!はい、ちょっと上向いて」

榊が花憐の眉を整い始めた。なんだか人に顔を触られるのは少し緊張する。
それでも榊の軽快な会話に、花憐は笑い、徐々にリラックスしていった。

「うーん・・・。あなた、本当に美人だわぁ。瞳も綺麗な黒目だし、睫も長いし・・・。
髪の毛なんてつやつやで羨ましいわよ。ちょっとくせ毛だけど、あとで綺麗に巻いて
あげるからね」

肌は粉をはたいて軽くチークをのせる。アイメイクもキツくなりすぎないよう控えめにし、
唇はつやつやになるようリップを塗った。

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