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明日に架ける橋
第1章 エスケープ
「やだ~。ワタシ、男専門だけど、あなたのことは本当に可愛いと思っちゃったわぁ~。
上唇の薄いアヒル口、うらやまし~」
榊がやたら褒めてくれるので、花憐は文子の姪だから気を使ってくれているとわかっていても、上機嫌になってしまって仕方なかった。
髪をふんわりと巻いてくれ、スプレーを全体にかける。艶やかな黒髪が花憐の白い肌によく映えた。
「靴はコレを履いてね」
ヒールが木目になっていて、足先に紫色の花のコサージュがついた靴だった。
「私、ストッキングまだ履いてなかった・・・!」
花憐が焦ってそう言うと、榊はいいのよと言った。
「生足でいいわよ。あたなの足、とっても綺麗。ちょっと細いけど、膝頭も綺麗だし、
全然問題ないわ」
「でも・・・」
素足でいると落ち着かない。それでも榊に説得されると、それでいいのかなと思うようになった。
「あなた、今日の一番の人気者になるわよ~。楽しみね~」
「榊さん、ありがとうございます。こんなに素敵に仕上げてくれて」
「やだ、仕事だもの。当然よ。あ、あなたに名刺渡しておくわね。コレ。何かあったらいつでも呼んでね♪」
花憐は両手で名刺を受け取った。
「榊 幸之助」
男らしい名前に思わず噴出した。
「あら、人の名前見て笑うなんて失礼ね。でも、あなた笑うととっても可愛いわ。
もっと笑った方がいいわよ。あなたじゃないわね、お名前聞いてなかったわ。教えてくれる?」
「有坂花憐といいます」
「まー!花憐ちゃん!?やだー。名前負けしないで良かったわねぇ。ほんとに」
あっという間に時間が過ぎ、19時になろうとしていた。
榊は慌てて花憐を送り出した。
久しぶりに大笑いさせてくれた榊に、花憐は心からお礼を言った。
花憐は文子の部屋を訪れる約束を思い出し、急いで文子の部屋へ向かった。
上唇の薄いアヒル口、うらやまし~」
榊がやたら褒めてくれるので、花憐は文子の姪だから気を使ってくれているとわかっていても、上機嫌になってしまって仕方なかった。
髪をふんわりと巻いてくれ、スプレーを全体にかける。艶やかな黒髪が花憐の白い肌によく映えた。
「靴はコレを履いてね」
ヒールが木目になっていて、足先に紫色の花のコサージュがついた靴だった。
「私、ストッキングまだ履いてなかった・・・!」
花憐が焦ってそう言うと、榊はいいのよと言った。
「生足でいいわよ。あたなの足、とっても綺麗。ちょっと細いけど、膝頭も綺麗だし、
全然問題ないわ」
「でも・・・」
素足でいると落ち着かない。それでも榊に説得されると、それでいいのかなと思うようになった。
「あなた、今日の一番の人気者になるわよ~。楽しみね~」
「榊さん、ありがとうございます。こんなに素敵に仕上げてくれて」
「やだ、仕事だもの。当然よ。あ、あなたに名刺渡しておくわね。コレ。何かあったらいつでも呼んでね♪」
花憐は両手で名刺を受け取った。
「榊 幸之助」
男らしい名前に思わず噴出した。
「あら、人の名前見て笑うなんて失礼ね。でも、あなた笑うととっても可愛いわ。
もっと笑った方がいいわよ。あなたじゃないわね、お名前聞いてなかったわ。教えてくれる?」
「有坂花憐といいます」
「まー!花憐ちゃん!?やだー。名前負けしないで良かったわねぇ。ほんとに」
あっという間に時間が過ぎ、19時になろうとしていた。
榊は慌てて花憐を送り出した。
久しぶりに大笑いさせてくれた榊に、花憐は心からお礼を言った。
花憐は文子の部屋を訪れる約束を思い出し、急いで文子の部屋へ向かった。