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明日に架ける橋
第1章 エスケープ
ノックをすると、すぐに返事があった。
少し照れくさい気持ちで着飾った姿を文子に披露する。
「まぁ、お姫さまみたいねぇ。とっても素敵だわ」
文子はソファに上半身を軽く起こして、横たわっていた。
「伯母さまは、音楽会にはお出になられないのですか?」
「私はもういいのよ。息子が主賓ですから、息子に全て任せてあるの」
そう言うと、ゆっくりと体を起こして、テーブルの上の箱を手に取った。
「こちらへいらっしゃい」
手招きして花憐を呼び寄せる。花憐は文子の目線に合わせて床に膝をついた。
「これをあなたにあげるわ」
そう言って、箱からきらびやかなダイヤのネックレスを取り出した。
「・・・・!」
あまりの輝きに、花憐は唖然としてそれを見つめた。
中心に大きなダイヤがあり、それを囲うようにして小さなダイヤがちりばめられている。
おそろいのイヤリングもあった。
「私には娘がいないでしょう。あなたに受け取って欲しいの」
「いけません。こんな高価なもの・・・」
「これはね、私が結婚するときに母がくれたの。あなたのお祖母さまね。私も娘ができたら
譲ろうと思ってたけど、娘は生まれたなかったし、嫁たちはもっと高価なものを身に着けてるからたいして喜んでもらえないのよ」
「伯母さま、でもこれはいただけません」
花憐は文子の手を押さえた。
「・・・そう。では、これはあとで処分するわ。もう私が持っていても仕方がないから」
「そんな・・・・!」
花憐は思わずネックレスを受け取った。
文子がふふ・・・と笑って、手を引いた。
「さあ、つけて見せて」
少し照れくさい気持ちで着飾った姿を文子に披露する。
「まぁ、お姫さまみたいねぇ。とっても素敵だわ」
文子はソファに上半身を軽く起こして、横たわっていた。
「伯母さまは、音楽会にはお出になられないのですか?」
「私はもういいのよ。息子が主賓ですから、息子に全て任せてあるの」
そう言うと、ゆっくりと体を起こして、テーブルの上の箱を手に取った。
「こちらへいらっしゃい」
手招きして花憐を呼び寄せる。花憐は文子の目線に合わせて床に膝をついた。
「これをあなたにあげるわ」
そう言って、箱からきらびやかなダイヤのネックレスを取り出した。
「・・・・!」
あまりの輝きに、花憐は唖然としてそれを見つめた。
中心に大きなダイヤがあり、それを囲うようにして小さなダイヤがちりばめられている。
おそろいのイヤリングもあった。
「私には娘がいないでしょう。あなたに受け取って欲しいの」
「いけません。こんな高価なもの・・・」
「これはね、私が結婚するときに母がくれたの。あなたのお祖母さまね。私も娘ができたら
譲ろうと思ってたけど、娘は生まれたなかったし、嫁たちはもっと高価なものを身に着けてるからたいして喜んでもらえないのよ」
「伯母さま、でもこれはいただけません」
花憐は文子の手を押さえた。
「・・・そう。では、これはあとで処分するわ。もう私が持っていても仕方がないから」
「そんな・・・・!」
花憐は思わずネックレスを受け取った。
文子がふふ・・・と笑って、手を引いた。
「さあ、つけて見せて」