この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
明日に架ける橋
第1章 エスケープ
どうしたらいいのかわからない様子であたふたする花憐の前に文子は鏡を差し出した。
花憐はゴク・・・と喉を鳴らしてネックレスを見つめた。

美しく輝きを放ち、ずっしりと重いそのネックレスは、花憐が一生手にすることなどできないはずのものだった。

涙がこぼれそうになる。伯母の気遣いが苦しいほど伝わってきた。

「あら、せっかく綺麗にお化粧したのに、泣いたりしたらダメよ」
「ご、ごめんなさい・・・」

花憐は目をしばたかせておぼつかない手つきでネックレスをつけた。
イヤリングは文子がつけてくれた。

「これで完璧ね。さ、もう時間が過ぎてしまったわ。みんなにあなたを紹介するように長男の克彦に言ってありますから、すぐに打ち解けられると思うわ。
疲れたらいつでもお部屋に戻って休んでいいですからね」
「伯母さま・・・。本当にありがとうございます・・・」

文子は花憐の額をそっと撫でて微笑んだ。

「楽しんでね」
「はい・・・!」

花憐は立ち上がって深々と頭を下げると、文子の部屋を出た。

首に感じる、ずっしりと重い感触が今日は特別な日なのだと花憐に思わせた。

オーケストラの演奏が聴こえてくる。人々のざわめきが花憐の胸をわくわくさせた。

どんな人たちがいるのか、全くわからないが、みんなの様子を部屋の隅でひっそりと
見ているだけでも幸せに違いない。
/159ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ