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明日に架ける橋
第1章 エスケープ
フォーマルスーツ服姿の榊を見て、花憐は惚れ惚れするといった表情で呟いた。
「榊さん・・・とっても素敵・・・」
「やだぁ~。知ってるわよぉ。そんなこと。でも、こういった服、本当は好きじゃないのよねぇ。
ちゃんと振舞わないといけない気持ちになるじゃない?疲れるわ~」
見た目の印象からは全く想像できない喋り方に、花憐は思わず顔を崩して笑った。
さっきまで愛想笑いしていたのとは違い、榊と話しているのは本当に楽しかった。
ウェイターから料理がのった皿を受け取り、花憐の膝にナプキンをのせた。
「お腹すいてるでしょ?ここのローストビーフったら絶品なのよぉ」
榊が言うと本当においしいように聞こえる。さっきまで空腹など感じなかったのに、突然
お腹がすいてくるから不思議だ。
榊が勧めるローストビーフを食べる。柔らかい肉と、少し辛めの味付けのソースが絶妙だった。
「おいしい・・・・!」
「でしょう!?さ、どんどん食べて。あなたちょっと痩せすぎだわ。もう少しくらいお肉を
つけた方が魅力的になるわよ」
今まで、自分が女性として魅力的かどうかなど考えたことなどなかった。
榊と話していると、それがとても大事なことのように思えてくる。
榊は話しながらも花憐の髪をちょいちょいと直したり、ネックレスの歪みを調えてくれたりした。
職業病のようで、それは榊が女性の美しさに常に敏感であることを伺わせた。
「どう?いい男はいた?」
「それが・・・良くわからないんです。みなさん、良い人だと思うんですけど・・・」
今まで知っている若い男性といえば、晴彦と岩田ぐらいだった。
二人ともコンプレックスの塊で、花憐に強くあたることでストレス解消しているような卑屈な男だった。
しかし、今日会った男性たちは皆自信に溢れ、卑屈なところなど見当たらず、余裕があることが感じられる。
花憐は男性の良し悪しの判断をつけられるほど、世の中の男性を知らなかった。
「榊さん・・・とっても素敵・・・」
「やだぁ~。知ってるわよぉ。そんなこと。でも、こういった服、本当は好きじゃないのよねぇ。
ちゃんと振舞わないといけない気持ちになるじゃない?疲れるわ~」
見た目の印象からは全く想像できない喋り方に、花憐は思わず顔を崩して笑った。
さっきまで愛想笑いしていたのとは違い、榊と話しているのは本当に楽しかった。
ウェイターから料理がのった皿を受け取り、花憐の膝にナプキンをのせた。
「お腹すいてるでしょ?ここのローストビーフったら絶品なのよぉ」
榊が言うと本当においしいように聞こえる。さっきまで空腹など感じなかったのに、突然
お腹がすいてくるから不思議だ。
榊が勧めるローストビーフを食べる。柔らかい肉と、少し辛めの味付けのソースが絶妙だった。
「おいしい・・・・!」
「でしょう!?さ、どんどん食べて。あなたちょっと痩せすぎだわ。もう少しくらいお肉を
つけた方が魅力的になるわよ」
今まで、自分が女性として魅力的かどうかなど考えたことなどなかった。
榊と話していると、それがとても大事なことのように思えてくる。
榊は話しながらも花憐の髪をちょいちょいと直したり、ネックレスの歪みを調えてくれたりした。
職業病のようで、それは榊が女性の美しさに常に敏感であることを伺わせた。
「どう?いい男はいた?」
「それが・・・良くわからないんです。みなさん、良い人だと思うんですけど・・・」
今まで知っている若い男性といえば、晴彦と岩田ぐらいだった。
二人ともコンプレックスの塊で、花憐に強くあたることでストレス解消しているような卑屈な男だった。
しかし、今日会った男性たちは皆自信に溢れ、卑屈なところなど見当たらず、余裕があることが感じられる。
花憐は男性の良し悪しの判断をつけられるほど、世の中の男性を知らなかった。