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明日に架ける橋
第1章 エスケープ
花憐は大いに戸惑い、足元を見ながら榊の動きについていく。
ゆっくり動いていても、どうにも足がもつれる。
何度も榊の足を踏んでしまう。

「ごめんなさい・・・・!」
「気にしないでって言ったでしょ?大丈夫、あなたみたいな軽い子に踏まれたぐらいじゃ何とも
ないわ。それよりちゃんと顔を上げて、にこにこして踊ってくれた方が助かるわ」

榊のリードは的確で、最初こそもたついたものの、花憐はすぐにコツを掴んで少しだけワルツを楽しめるようになった。

「いいわ。とっても上手よ。ほら、男どもがみんなあなたを見てる。いい気味!」

まわりの人々を見ている余裕など、花憐にはなかった。
榊の動きに集中していたので、ダンスホールに人々が集まってきていることに全く気が
つかなかった。

「ねえ、あの庭に出るとこに集まってる女たちに囲まれてる男がいるでしょ?」

そう言われて、さっと視線を巡らせるが、女性たちの中に一人背の高い男性が一瞬見えただけで、どんな顔をしているかまでは花憐にはわからなかった。

「大河建設の五男坊の大河清人。確かもうすぐ30歳になるんだったと思うけど・・・。
女好きで有名で、ほんとーに軽い奴。女関係でいろんなトラブル起こしてるのに、それでも
モテるのよねえ。
見て、あの群がる女たちのいやらしい目。寒気がするわ」

榊が話しながらよくこんなに流れるようにダンスが出来るなぁと思いながら、花憐は何となく話を聞いていた。

「みんな、自分ならあの坊ちゃんを魅了できると思ってんのよ。金持ちの道楽ね。
ただのゲームよ。真面目に恋愛なんかしてる人なんかいないわ。あいつだけは気をつけてね。
私もたまに仕事で顔合わせる時があるんだけど、いっつも違う女連れてんだから」

気をつけろと言われて、初めて花憐はその話に集中した。

(大河清人・・・・)
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